まずは全体像から!システム発注者側の目線でシステム導入時の業務を解説
この記事で理解できること
この記事では、社内のシステム導入や刷新を検討することになった方々に対して、システム導入/刷新に向けてどのように業務を進めていけばよいのかという不明点にこたえる形で、システム発注業務の全体像を解説します。
より詳しい解説を見たいという方は、以下の特集ページや、本記事に掲載しているリンクから他の記事もご覧ください。
システム発注者側としてありがちな悩みや課題
新システムの導入や既存システムの刷新といったイベントはめったに起こらず、数年に一度のレベルで発生することがほとんどです。また、システム開発や運用/保守業務は外注していることが多いため、なかなかシステム発注に関するノウハウが蓄積されにくいのが実情です。
そんな環境的な外部要因も影響し、システム導入/刷新を担当することになった方の中には、以下のような悩みや課題を抱えている方がいるのではないでしょうか。
- 「システムの発注」を経験したことがなく、そもそも何から着手してよいか分からない
- 業務担当者として、業務のことは把握しているが、システムやITに関する知識はほとんどない
- 情報システム担当者として、日々のシステムの運用業務は慣れているが、新システムを発注するという経験が少ない
上述のような悩みや課題をお持ちの方が、知識を自分のものにしながら主体的に業務を推進していけるように、「システム発注の業務を徹底解説」特集がナビゲーションをします。
まず、本記事では、新システムの導入や既存システムの刷新を行うという話が持ち上がってきたところから、新システムが動き出すまでの全体の流れをざっくり解説します。
システム発注業務の流れをざっくり説明
システム発注業務の流れについて、イメージにしたものが以下の図です。
本特集では、既に製品化されているパッケージのシステムを導入することを検討している際に特に役立つ内容になっています。
システムの導入・刷新に向けて検討を進める(①プロジェクトの立ち上げ)
新システムの導入や既存システムの刷新を行うという話が持ち上がってきたら、最初に、「システム導入・刷新のプロジェクト」を立ち上げましょう。
プロジェクトの目的を明確にし、実行計画を検討した上で、プロジェクト体制の整理を行います。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
プロジェクトが立ち上がり、システム導入・刷新計画を作る(②現状分析・要求検討、システム導入/刷新計画策定)
プロジェクトが立ち上がれば、次は「現状分析」を実施しましょう。
現状の業務やシステムはもちろん、事業戦略の整理も踏まえ、システム導入・刷新後に理想とする「To-Be業務」やシステムに求める「要求概要」を整理します。
候補となりそうなシステム開発会社に情報提供を依頼し、得られた情報をもとに「システム導入/刷新計画」「業務改善計画」を作成します。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
発注先のシステム開発会社を探す(③要求仕様策定・システム開発会社選定)
発注先のシステム開発会社を探すために、契約条件のベースとなる「要求仕様」を作成します。
要求仕様を含めてRFP(提案依頼書)を候補となるシステム開発会社に送付し、提案を依頼します。パッケージ製品の場合は、自社の求める要求と製品の持つ機能の適合性を判定するためのFit&Gap分析を行い、発注先のシステム開発会社を決定し、契約を締結します。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
システム開発会社に発注したら要件定義を行う(④要件定義)
システム開発会社との契約後、要件定義を行います。
パッケージ製品の場合は、さらに詳細のFit&Gapを実施し、To-Be業務と製品に合わないところがあれば、業務でカバーするまたはアドオン開発を行う等の対応策を検討します。
また、並行して、システムリリースに向けたテストの方針、既存システムからの移行方針等の検討を行い、今後の進め方を明確にします。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
システム開発会社による設計・開発業務が開始したら(⑤実装)
システム開発会社による設計・開発業務が始まり実装段階に入ったら、パッケージ製品の場合は、パラメータの設定に必要な情報をとりまとめます。
また、システムの導入/刷新に伴う業務改善計画を立てている場合、計画に基づいて業務の改善も実施していきます。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
システムの稼働前にテスト・移行を行う(⑥受入テスト・移行)
要件定義フェーズでまとめた仕様がシステムに反映されているかを確認するために、発注者側で「受入テスト」を実施します。
また、既存システムから新システムに切り替わり過去のデータの移行が必要な場合には、移行作業も行った上で、システムを本稼働させます。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
システムが稼働したら(⑦運用保守・活用促進)
新システムが無事に稼働して運用段階に入った後は、定期的にシステムの利用状況について振り返りを行い、当初定めたプロジェクトの目的が達成されているかどうかを確認します。
また、振り返り内容に応じて追加機能の改修等も実施することで、サービス・業務を継続して行えるように提供価値を高めていきます。
本フェーズに関して詳しく説明している記事はこちらからご覧ください。
どこかのフェーズでつまずいてしまったら
以上、システム導入/刷新時の流れをざっくりご説明し、詳細を解説している記事もご紹介いたしました。
ただ、記事を読むだけではどうしても分からないところや、日々の業務に追われていてそもそも対応する人員や時間が不足しているという場合もあると思われます。
そんなときは、外部の力を借りるということも検討してみてください。システム開発会社に発注する前段階においても、システム発注者側で検討すべきことが多くあります。
もし計画の立て方が分からない、どのようにシステム開発会社を選べばよいのか分からないといったお悩みがある場合には、IT調達ナビの運営会社である株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー(GPTech)でも支援することが可能です。
こちらのお問い合わせからお気軽にご相談ください。