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【初心者編】RFPとは?RFP作成のメリットや注意点、RFIやRFQなど分かりやすく解説!

RFPとは

RFPとは“Request for Proposal”の略で、日本語では「提案依頼書」と言います。

企業が情報システムの導入や業務委託を行うにあたり、発注先を選定するために、候補となるシステム開発会社に具体的な提案を依頼する文書です。システムの目的や概要、要件や制約条件などが記述されています。

RFPでは、3つの要求を明示することが大切です。

  1. 何をしたいか(業務要求、技術要求、運用要求)
  2. いくらでしたいか(予算)
  3. いつまでにしたいか(納期、スケジュール)

また、RFPはWordやPowerPointの資料で作成されることが一般的ですが、数ページのものから、巨大システムであれば数百ページにのぼることもあります。ただ、システムの大小にかかわらず、RFPを作成する際は「何を、いくらで、いつまでに」というこの3つの要求は必要となります。

 

RFPを作成する目的

RFPを作成する目的はずばり、「発注者側の考えをシステム開発者側に漏れなく伝え、相互理解を深めるため」です。

一昔前までは、発注者側がシステムについて詳しくないため、口頭で説明したイメージや要求を開発会社が汲み取ってプロジェクトが開始することもありました。しかし近年、情報システムで処理する業務が増え、構造が複雑化し、口頭だけの説明だけでは抜け漏れや認識相違が発生したりするためRFPの作成は必要事項とされています。

また、システム導入に失敗している事例で良くある例として、

  • システム開発会社がIT化の目的をきちんと把握していない。
  • そもそも発注者側がIT化の目的を理解していない。
  • 発注者が多忙でシステム開発会社に任せっきりにしてしまう。
  • 発注者が重視している点をシステム開発会社が理解できていない。

など、こういった問題が多々見られます。

一つの原因として、システム開発に詳しくないという理由から発注者が受け身になってしまうことが挙げられます。「能動的に」発注者自身がシステムに求める内容を整理したRFPを作成し、システムの完成イメージをシステム開発会社に伝えることで、発注者とシステム開発会社の間に認識齟齬がなく発注者の期待通りのシステムを導入することができます。

 

RFPの作成者は誰か

一般的には、発注者側の情報システム部門の担当者が業務担当者や経営層にヒアリングをして作成します。システムを導入する際には、システムや業務の関係者でプロジェクトを立ち上げることが多いため、そのプロジェクトメンバーでRFPの内容を作成・確認します。

 

RFPを作成する時、自社内で何をヒアリングするのか

ヒアリングの内容は、システムの概要や目的、必要な機能、保証要件(システム品質保証基準やセキュリティ)、予算、納期、契約事項、評価プロセスと評価基準、調達方針などです。

 

RFPを作成するメリット

RFPを作成することで、「私たちはこういうことを考えています。それをシステムとして実現できる方法を提案してください。」ということを伝えることができ、その考えを理解して提案してもらえるシステム開発会社を待つことができます。

 

①良い提案を受けられる可能性が高まる

発注者はまだ具体化されていない要求であったとしても、要求の概要を文書化することによって、システム開発会社に対して「何をしたいか」を明確に伝えることができ、良い提案を受けられる可能性が高まります。

また、自社内だけでは、システムの専門的な知識に乏しく、最先端の技術を選択することは難しいですが、システム開発会社から知識を補うことができます。

仮に、要求外の提案も受ける余裕があると伝えれば、軸となる要求を満たしたうえで、発注者側が知らなかった技術を利用したより良いシステムを目指すことのできる可能性もあります。

 

②コンペなどで提案力のあるシステム開発会社を見極めやすくなる

候補となっている全システム開発会社に同じ内容のRFPを出すことによって、各システム開発会社からの提案に大きなブレがなくなり、適正価格の相場が分かり、さらにコンペによって提案力のあるシステム会社を見極めやすくなります。

 

③予算とスケジュールが妥当か確認できる

見積書によって発注者が設定していた予算が妥当かどうか、また、納期や作業スケジュールに無理がないかどうかを確認できます。場合によっては、予算の見直しやスケジュールの再検討が必要になることでしょう。

 

RFPを作成するうえでの注意点

システムに期待していることは全て記載する

RFPにはシステムに必要なことを漏れなくすべて記述します。例えば、在庫管理システムだとすると、入庫管理や出庫管理、在庫管理に関して必要な機能だけでなく、システムに障害が発生した場合のサポート体制、データのバックアップなどの機能以外にシステム開発会社に求める要求も含める必要があります。

 

システムに期待していることを誇張して記載しない

RFPにはシステムに期待していることを書く必要がありますが、期待するあまり現実的ではない要件を記載することは避けましょう。

例えば、FAQシステムを導入する際に、世界各国から寄せられる問合せに何時でも自動で回答できるようにしたいと思い、「24時間365日無停止運転且つ自動返答」と記述するとシステムの価格が大きく跳ね上がる可能性があります。

とはいえ、どうしても譲れない要求もあると思われます。その際は自社内で考えている要求がシステム開発会社にとって実現性があるかどうかについて、事前の問合せや打ち合わせの中で確認しておくことをおすすめします。

 

追加要求は「後出しじゃんけん」になる

RFPに記述していない要求を後から追加することは避ける必要があります。なぜなら、システム開発会社はRFPを基に提案書や見積書を作成するため、もし記述していない要求を提示したい場合は修正依頼をし、システム開発会社からの修正案の提示を待つことになり、自社内の検討スケジュールに遅れが発生する可能性があります。

そのため、RFPを発出する前には、自社内でRFPの内容を確認し承認を得ることが望ましいでしょう。

 

RFPを作成するタイミング

RFP作成までの流れ

発注者側がシステム導入を検討しプロジェクト発足後への要求を検討し、候補となるシステム開発会社をリサーチします。そこで、ある程度候補を絞り込んだらシステム開発会社へのヒアリング、またはRFIを通じて情報提供を依頼します。その後収集した情報を基にシステムへの要求を具体化し、RFPを作成します。

一般的に、RFIは6~7社ほどに提出し、RFIから得られた情報をもとに3~4社に絞り込み、RFPを提出します。

RFP作成までの流れ

RFPを作成するまでについて、より詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

もし、作成にお困りでしたらこちらをご覧ください。

 

RFP提出後の流れ

RFPを提出後、発注者は各システム開発会社に対してRFPの内容を説明し、システム開発会社からの質問に回答します。説明会は、一般的にオリエンテーションと呼ばれることがあります。

その後、提案書と見積書をシステム会社から提示してもらい、最有力候補となるシステム開発会社を選定し、提案書の調整など行い契約を結びます。

 

 

RFPに記載する内容

あくまで例ですが、基本的には以下のような情報をRFPに記載する必要があります。

 

RFPと間違いやすい「RFI」と「RFQ」とは

RFIとは

概要とメリット、注意点

RFIとは“Request For Information”の略で、日本語では「情報提供依頼書」と言います。

システム開発会社の情報収集をする際に、発注先の候補会社に対して会社情報や候補会社の持つ技術や製品に関する情報の提供を依頼し、RFIで得た情報をもとにRFPを作成します。

RFIを作成することによって、一般に公開されているウェブサイトやパンフレットでは得られない情報提供を受けることができます。提供される情報が機密情報に当たる場合もあるため、必要に応じてNDAを締結する必要があります。

RFIの内容

あくまで例ですが、基本的には以下のような内容を記載する必要があります。

 

RFQとは

RFQとは“Request For Quotation”の略で、日本語では「見積依頼書」と言います。

RFPでは、システム開発会社から提出してもらいたい事項の一つとして必ず予算を記入しますが、その際に参考となる見積額を記載したい際にRFQを作成し、見積額の提出を依頼します。

 

まとめ

RFPはシステム導入において必要不可欠な文書です。

RFPを作成することによって、システム開発会社に対して、自分たちが望んでいるシステムの要求を漏れや相違なく伝えることができます。
ざっくりとした要求をシステム開発会社に伝えて任せきりにしたりせず、発注者自らがRFPを作成することで自分たちがシステムに求めているものを再認識することもできます。

もし、RFPの作成やシステム導入などお困りな点がありましたら、お気軽に下記よりご相談ください。

 

IT調達ナビの運営会社である株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジーは、発注者の皆さまと一緒になってシステム導入をお手伝いします。

この記事の編集者

柳元 華奈

柳元 華奈

IT調達ナビの運営会社である、(株)グローバル・パートナーズ・テクノロジーに新卒入社。 ITコンサルティング業務に従事しつつ、IT調達ナビでシステム発注に役立つ記事を展開するというメディア運営業務にも携わる。

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