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新システム稼働直前の受入テストや移行時に発注者側が実施すること

この記事で理解できること

本記事では、新システムの導入や既存システムの刷新に向けて、システム開発会社側で実施するテストが終了し、発注者側が行う受入テストや、本番リリース前に実施すべきデータ/業務移行やシステム切り替えの中で発注者側が実施すべきことや意識すべきポイントを解説いたします。

システム開発会社に発注した後、発注者側はシステム開発会社側任せにしてよいわけではありません。決してシステム開発会社に任せきりにせず、今後自分たちで使うシステムを完成させるために受入テストで要求が満たされているか、業務を問題なく実施できそうか、丁寧に確認する必要があります。

 

システム発注プロセスの中での位置づけ

本記事では、システム発注プロセスにおいて、「⑥受入テスト・移行」を解説します。

 

受入テストを実施する

前フェーズでは、システム開発会社側がテストを行っていましたが、「受入テスト」は、発注者側が主体的に実施します。実際にシステムを操作することになる業務担当者が、できるだけ実業務に近づけて実施することが大切です。

 

受入テスト前の準備

受入テスト前には受入テスト計画書を作成しますが、テストシナリオや、テスト項目、シナリオとテスト項目の組み合わせを検討します。

テストシナリオとは、実際の業務の実施手順に基づいてシステムの利用シーンを想定したものです。

テスト項目とは、シナリオを細分化した上で、実際にシステムでの操作と正常に処理が完了した場合の予想結果を整理したものです。

また、受入テスト前には、業務担当者がシステムの利用方法を理解しておく必要があります。そのため、システム開発会社側から提供される教育コンテンツ、例えば操作マニュアルや操作説明会を通じて、業務担当者はシステムを使えるようになっておきます。

 

受入テスト時のポイント

できるだけ実業務に近づける

受入テストは、できるだけ実業務に近づけた状態で行うようにしましょう。例えば、使うデータは本番データとし、基本的な業務だけではなく、例外的な業務処理もテストシナリオに追加して確認します。

 

テストシナリオは網羅性を高める

実際の業務に基づいてシナリオを作成することは前述しましたが、正常に処理が完了すると想定されるものだけではなく、異常が出るべきテストも実施しておきます。例えば、データ入力時に必須項目が入っていない状態でもデータ登録が完了する、ということが起きてしまうのは避けなければいけないため、わざと必須項目を入れずにデータ登録をするといった異常系のテストも行います。

 

移行して新システムをリリースする

受入テストが完了すれば次は移行した上で新システムをリリースしますが、移行の種類やリリースまでの段階を理解しましょう。

 

移行の種類

「移行」には以下の3種類があり、違いを理解した上で、移行時に実施すべきタスクや注意点を洗い出しておきます。

  • システム移行(データ移行と区別するために「システム切り替え」と呼ぶことを推奨します)
    受入テストが終わったシステムを本番環境にリリースすることを指します。
  • データ移行
    既存システムから新システムへデータを適切な形で渡すことを指します。
  • 業務移行
    新システムのリリースに伴って、業務やシステム利用者において移行時に発生する業務や並行稼働中に特殊な業務が発生するものを指します。

 

本番移行と本番稼働

新システムを利用した業務を開始するためには、2段階の承認を経る必要があります。本番移行の開始を承認する「移行判定」と、新システムを利用した新業務の開始を承認する「稼働判定」です。

 

  • 移行判定
    本番移行の開始を承認する。受入テストや、移行リハーサルが完了した後に行う。
  • 稼働判定
    本番稼働(新業務)の開始を承認する。本番移行が完了した後に行う。

 

それぞれの判定において、誰がどのような条件でどのように判定するのか、事前に関係者間で検討し合意しておきます。例えば、「判定会議」を設けて、プロジェクト関係者が参加しその場で承認できるかどうか確認することがあります。

 

新システムをリリースする

稼働判定にて本番稼働の開始が承認されれば、新システムをリリースし本番稼働します。

新システムのリリース直後は、システムの不具合や操作の不慣れさから操作ミスが起こる可能性が高いため、新システムが安定稼働するまではシステム開発会社にいつでも対応してもらえるよう要員を待機させておくことがあります。

無事に新システムがリリースし安定稼働すれば、「新システムの導入/刷新」という意味ではひと段落します。

 

目的の達成はこれから

新システムの導入を検討しリリースさせるまでは、関係者も多く実施すべきことも盛りだくさんだったと思いますが、新システムを活用した業務の運営や新システムを導入する目的を達成させるのは、新システムリリース後が本番です。実際に、新システムを導入するまでの期間よりも、システムを利用している期間の方がずっと長いため、継続的にシステム導入の目的が達成されているか、改善できるところはないか振り返りをする必要があります。

新システムがリリースされた後の運用保守フェーズでのポイントについては、次の記事で解説しています。

 

この記事の編集者

アバター

赤井 遥香

IT調達ナビの運営会社である、(株)グローバル・パートナーズ・テクノロジーに新卒入社。 ITコンサルティング業務に従事しつつ、IT調達ナビでシステム発注に役立つ記事を展開するというメディア運営業務にも携わる。

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