SLA
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)は、「サービス品質保証」とも言われます。これは、情報サービス提供者とその利用者(利用企業)の間で交わされる文書で、提供されるサービスの品質を定量的に定義し、合意するものです。
ここで言う情報サービスには「ネットワーク(通信回線)の提供」「データセンターでのサーバのホスティングサービス」などのインフラストラクチャに関するものから、「クラウドサービス」や「ASP(Application Service Provider)」のようにハードウェア/ソフトウェアの利用をサービス化したものもあります。
また、企業の業務システムの運用管理委託やコールセンターの運用サービスもSLAの対象になります。企業の業務システムの運用管理委託を例にすると、SLAには以下のような項目(メトリクス)が含まれます。
・システムの稼働日(例:土日を除く週5日)と稼働時間(例:7:00-22:00)
・夜間バッチ処理に要する時間
・データバックアップの対象とサイクル
・障害によるデータ損失の復旧範囲 等
SLAが重要視される3つのポイントがあります。
第1は「定義されたサービスのレベルを達成するためのシステム環境が明確になること」です。
第2は「サービスのレベルが明確にされ、システムの品質が確保されること」です。
そして最も大切な第3のポイントは「サービス提供者/利用者の双方が常にサービス品質の向上を意識するようになること」です。第3のポイント「サービス品質の向上の意識」のためには、サービスの実施状況について、サービス提供者/利用者の両者が同一の認識をする必要があります。
そのために「月次報告会」を開催してサービスの実施状況の認識合わせをし、サービスの品質維持方法、改善方法を検討することが両者の意思疎通には大いに役立ちます。
また、その際、サービス提供者は「月次報告書」を準備します。それにより、サービス状況のトレンドが把握でき、障害の未然防止にもつながります。
このようにSLAはサービス品質の維持・向上に役立つ重要な文書と言えます。そして、それがシステム全体の品質を向上させることになるのです。
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