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SaaSとは?特徴や活用メリットについて解説

SaaSは「Software as a Service(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」の略で「サース」と呼び、インターネットを通じてソフトウェアを提供する方法のことを指します。

ソフトウェアをダウンロードしたりインストールしたりすることなく、インターネットを通じてソフトウェアを使うことができます。

また、面倒なソフトウェアの更新作業もSaaSの提供会社が実施します。

SaaSの主な特徴は、ソフトウェアの導入や維持管理のための定期的な点検の手間が減ること、インターネット接続があればどこからでも利用できること、利用量や利用者数に応じてサービス内容を変更できることなどが挙げられます。

これらの特徴は、以下のようなユーザー目線のメリットに繋がります。

  • コスト削減
    高額な初期投資や、維持管理のための定期的な点検やソフトウェアの更新作業のための追加費用が不要です。
  • 利便性
    任意の場所や利用端末(スマホやPCなど)からアクセス可能で、作業の自由度が増します。
  • 柔軟性
    ビジネスの成長や縮小に合わせてサービス内容を変更することが容易です。

SaaSは日常生活や仕事でよく使われているツールにも見られます。

例えば、Googleの「Gmail」やMicrosoftの「Office 365」、コロナ下で利用機会が増えたZoom Video Communications, Inc.の「Zoom」などがSaaSの一例です。

SaaSの選定や利用に際しては、セキュリティ対策やデータプライバシー、サービスの信頼性といった点に注意が必要となります。

現在、デジタル変革の進展と共に、企業のITニーズは急速に進化しています。

この状況下で、コストや時間の観点から自社で全てのITインフラを管理することは困難になってきました。

SaaSはこうした背景から注目を浴び、効率的なソフトウェア利用方法として普及しています。

よくある質問

SaaSとクラウドサービスの違いは何ですか?

SaaSはクラウドサービスの一形態であり、クラウドサービスが提供する多様なサービスのうち、ソフトウェアをインターネット経由で利用できる形態を指します。

違いのポイント

1. クラウドサービスの定義
クラウドサービスは、インターネットを通じてサーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアなどのITリソースをオンデマンドで提供する総称です。

2. SaaSの位置づけ
SaaS(Software as a Service)はクラウドサービスの一種で、ソフトウェアを自社でインストールせずに、サービス提供者の環境でインターネット経由で利用する形態を指します。

3. 他のクラウドサービス形態との違い
クラウドサービスには他にIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)があり、それぞれ提供するITリソースの範囲が異なります。

IaaS:仮想サーバーやストレージなどの基盤環境を提供
PaaS:アプリケーション開発環境を提供

まとめると、クラウドサービスは広義のITリソース提供全般を指し、その中の一つとしてソフトウェアをサービスとして提供する形態がSaaSです。

利用者はSaaSを通じてソフトウェアのインストールや管理を気にせずに利用できる点が特徴でしょう。

SaaS導入時に気を付けるべきポイントは何ですか?

SaaS導入時は、サービス選定の適合性確認とセキュリティ対策、運用体制の整備を中心に注意することが重要です。

気を付けるべきポイント

1. 業務要件との適合性
SaaSが自社の業務フローやニーズに合っているか、必要な機能が備わっているかを事前に確認しましょう。

2. セキュリティ対策の確認
データの保護やアクセス管理、認証方法など、提供元のセキュリティ対策が十分かを評価することが重要です。

3. 契約内容の確認
利用料金体系、サービスレベル(SLA)、データの所有権や退会時のデータ取扱いについて明確に把握しましょう。

4. 運用体制の準備
社内利用者に対する教育の実施やサポート体制の構築、さらにトラブル発生時の対応フローを整備することで、安定した運用の実現を図ることが重要です。

5. 拡張性と連携性の検討
将来的な業務拡大や他システムとの連携に対応できるかも考慮しましょう。

SaaS導入は利便性が高い反面、適切な選定と準備がないと運用トラブルやセキュリティリスクにつながりやすいです。

これらのポイントを押さえて導入計画を立てることが成功の鍵でしょう。

SaaSのセキュリティ上の課題や対策は?

SaaSの利用に際しては、情報漏洩や不正アクセスのリスクを含む複数のセキュリティ課題が存在します。

これらに対処するためには、提供事業者のセキュリティ対策の確認および自社における管理体制の整備が不可欠です。

セキュリティ上の主な課題

1. データの機密性確保
SaaS環境における顧客データは事業者の管理下に置かれるため、情報漏洩や不正利用のリスクが伴います。

2. アクセス制御の適正化
利用者の認証・権限管理が不十分な場合、不正アクセスや権限の逸脱利用が発生し得ます。

3. サービス提供者依存のリスク
サービス停止や脆弱性対応の遅延が発生した場合、業務継続性に影響を及ぼす可能性があります。

4. 法令遵守およびデータ管理の透明性
個人情報保護法など関連法令に基づいたデータ管理が行われているか、適切な監査や報告がなされているかが重要です。

主な対策

1. 提供事業者のセキュリティ評価
ISO/IEC 27001やSOC2などの認証取得状況やセキュリティポリシーを確認し、信頼性を評価します。

2. 強固な認証・アクセス管理の実施
多要素認証の導入やアクセス権限の最小化により、不正利用リスクを低減します。

3. 定期的なリスク評価と監査の実施
自社の利用状況を踏まえ、継続的にリスクを評価し、必要に応じて監査や改善を図ります。

4. データバックアップおよび障害対応計画の整備
万が一のデータ損失やサービス停止に備え、バックアップ体制や復旧計画を策定します。

SaaSの安全な利用には、提供者側のセキュリティ対策の確実な把握と、自社による適切な管理体制の構築が不可欠であり、両者が連携してリスク低減に努めることが求められます。


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この記事の編集者

大野 誠司

大野 誠司

日本のIT変革の一助となりたいと考え(株)グローバル・パートナーズ・テクノロジーに新卒入社。 主に民間企業の情シス業務に従事しつつ、IT調達ナビでシステム発注に役立つ記事を展開するというメディア運営業務にも携わる。

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