システム発注に関わる
すべての人の成功を支援するメディア

IT調達
IT戦略・ITガバナンス
用語集
運営会社

文書管理システム(DMS)

文書管理システム(ドキュメントマネジメントシステム、通称DMS)とは、企業内の文書やファイルを電子的に一元管理するためのシステムです

DMSを活用することで、電子ファイルの保存・検索・共有を効率的に行うことができます。スキャナー機能を備えた専用ソフトウェアやハードウェアと組み合わせることで、紙の文書をデジタル化することも可能になります。

DMSには、文書の保存、検索、バージョン管理、アクセス権限の設定といった機能に加え、ワークフロー機能が搭載されているものもあり、承認プロセスの自動化や業務の進捗管理が可能です。

例えば、請求書や契約書といった重要書類を安全に保管し、必要な時に迅速に検索・取得することができます。また、複数の従業員が同じ文書を共同編集する際には、更新履歴を記録して変更内容を追跡することが可能です。さらに、文書へのアクセス制限を設けることで、機密情報の漏洩を防ぐことができるのも特徴です。

近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速や電子帳簿保存法(電帳法)の改正に伴う事業環境の変化により、文書の電子化とその適切な管理は不可避の課題となっています。その解決策として、多くの企業でDMSの導入が進んでいます。

DMSを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

キーワード検索で瞬時に文書を特定
文書の検索時間が大幅に短縮され、業務効率が向上します。従来のファイリングキャビネットでの管理と比べ、必要な文書をキーワード検索で即座に見つけることが可能です。

災害対策とBCP対応を強化
災害時のリスク管理の観点からも重要です。紙の文書は火災や水害で失われる可能性がありますが、DMSで電子化して保管することで、確実なバックアップが可能となります。

AI・OCRで入力作業を自動化
近年のDMSにはAIを活用したOCR(光学文字認識)や文書の自動分類機能を備えたものもあり、手作業によるデータ入力の負担軽減や業務のさらなる効率化が期待できます。

DMSと他のシステムの違いを理解しておくことも重要です。

ERP(統合基幹システム): ERPは経理や人事など基幹業務全般を統合管理するシステムであり、一部の文書管理機能を含む場合もありますが、DMSは文書の保存・管理・共有に特化しています。

 

グループウェア: 情報共有や社内コミュニケーションが主目的のグループウェアと比べ、DMSは文書の版管理や長期保存機能が充実しています。

クラウドストレージ: クラウドストレージはファイルの保存・共有を目的としたサービスですが、DMSは文書の体系的な管理や詳細な権限設定、ワークフロー機能などを備えており、より業務プロセスに直結した管理が可能です。

DMSは、企業の文書管理を効率化し、業務プロセスを改善する重要なツールです。コンプライアンスへの対応や働き方改革の推進においても、その重要性は増す一方です。

導入に際しては、自社の業務フローや必要な機能を十分に検討し、適切なシステムを選択することが成功への鍵となるでしょう。また、従業員への適切な教育と運用ルールの整備も、スムーズな導入と運用には不可欠です。

導入においてお困りの方は下記よりご相談ください。

 

この記事の編集者

柳元 華奈

柳元 華奈

北京大学日中通訳専門修士卒。日本経済の活性化を目指し、日本のIT変革やアジアとの架け橋となるべく、(株)グローバル・パートナーズ・テクノロジーに新卒入社。 主に民間企業のシステム刷新プロジェクトに従事し、同社のPR・マーケティング全般の業務やIT調達ナビの運営業務にも携わる。

この記事をシェアする