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BPRとは?DX時代に欠かせない業務プロセス改革の基本について解説

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や業務改革の必要性が高まる中、多くの企業が注目しているのが「BPR(Business Process Re-engineering:ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」です。

BPRは、企業の業務プロセスを抜本的に見直し、最適化するための手法です。

BPRは、単なる業務改善とは異なり、既存の業務プロセスを根本的に見直し、抜本的に再設計するアプローチです。

生産性向上や業務効率化、コスト削減を目指す企業にとって欠かせない手法となっています。

DXの推進においても、単にITツールやシステムを導入するだけではなく、それを活かすためには業務フロー自体の見直しが不可欠です。

そのため、BPRはDXを成功に導くための鍵を握る重要なステップなのです。

BPRを実施する際の基本的な流れは、以下の通りです。

1.現状分析

まず、現在の業務プロセスを詳細に分析し、問題点や改善すべき箇所を特定します。

業務フローを可視化し、ボトルネックや無駄な作業を洗い出すことが重要です。確認する際の観点は、「業務量」と「生産性」の2点です。

これらを把握することでBPR対象とする業務範囲を検討することができます。

2.業務プロセスの再設計

次に、業務量削減のための業務の廃止や統合、簡素化、さらに生産性向上のための自動化や集約、標準化を図ることができないか検討します。

また、単位時間当たりのコストを削減するために権限移譲ができないかも検討します。

3.実施順の決定

「効果・価値の大きさ」と「実行難易度」の2つの観点からBPR施策の優先度を決めて、その施策を実施します。

新しいシステムを導入しても、業務プロセスが非効率的であれば、期待した効果を得ることはできません。

BPRを通じて業務プロセスを見直し、最適化することで、システム導入の効果を最大限に引き出すことができます。

また、現状の業務プロセスをそのままシステム化すると、無駄な機能や非効率的な運用のままシステム化してしまう恐れがあります。

BPRを実施することで、本当に必要な要件を明確にし、無駄な投資を防ぐことができます。

システム導入は、単なるIT投資ではなく、業務改革の契機と捉えるべきです。

BPRは、単なる業務改善ではなく、組織の在り方そのものを問い直す戦略的な取り組みです。DXやシステム導入を成功に導くには、まず足元の業務プロセスを見直し、最適化するBPRの実施が欠かせません。競争環境が激化する今、持続可能な成長のためにも、BPRの重要性を再認識し、積極的に活用していくことが求められています。

BPRの考え方を取り入れ、業務プロセスの最適化とシステム化を同時に進めることで、システム導入の成功率を高め、組織の競争力強化につなげることができます。


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この記事の編集者

藤﨑 碩人

藤﨑 碩人

大学・大学院では数学を専攻し、IT調達ナビの運営会社である、(株)グローバル・パートナーズ・テクノロジーに新卒で入社した。 公共組織のITガバナンス、マネジメント支援業務に従事し、同社のメディア運営業務にも携わる。応用情報技術者・ITコーディネータ。

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