BPR施策に取り組むベストなタイミングとは?BPRの進め方を解説
本記事では、業務改革を進めるためにBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)施策を検討したものの、何から取り組んでよいのか分からない、優先順位を決めるとしたらどのような考え方があるのか知りたいという方に向けて、様々なBPR施策に取り組むタイミングを整理するための考え方をご紹介します。
「BPRとは何?」「BPR施策はどのように考えればよいか分からない」という方は、ぜひこちらの記事からご覧ください。
BPRは施策ごとに取り組むタイミングを分ける
BPR施策は、その施策を実施したことで得られる「効果/価値の大きさ」や「実行難易度」が異なります。
例えば、年に1回しか実施しない業務に対して時間をかけてBPR施策を実践するよりも、毎日実施する業務に対してBPR施策を実践した方が、得られる効果が大きいということはイメージできると思います。
また、法令や会社の規程に基づいた業務を変更する場合や人手で実施していた作業をシステムで自動化するといった施策は、担当者だけではなく他の関係者を巻き込むことや予算が必要な場合もあるため、実行難易度が高いと言えます。
そのため、施策の「効果/価値の大きさ」や「実行難易度」から取り組むタイミングを分けることで、全体的に効率よく業務改革を推進することができます。
優先して取り組むべきBPR施策とは
BPR施策を洗い出せれば、それぞれの施策を「効果/価値の大きさ」や「実行難易度」の2軸で評価した上で、どれから取り組むのか優先度を判断します。
BPR施策を評価する
効果/価値の大きさ
評価軸の1つ目は、その施策を実施したときに得られる効果/価値の大きさです。
例えば、業務量の低減できる大きさ、ミスに対応する負荷低減の大きさ、といった得られる低減量の大きさを得られる価値/効果として捉えることができます。
- 業務量の低減量 = 1作業単位当たりの削減量 × 頻度・件数
- ミスに関する負荷低減量 =ミスの件数 × ミス削減率 × ミスに係る対応時間
実行難易度
評価軸の2つ目は、その施策を実行する上での難易度です。
例えば、以下のような、実行するにあたっての障壁の度合いや種類を総和が実行難易度となります。
- 分からない(業務担当者の能力やスキル、関係者のBPR施策に対する理解度が不足している)
- できない(法令/規制等へ抵触する、予算の制約がある、技術的に実現が難しい)
- やりたくない(関係者との調整やコミュニケーションの工数がかかる、現場担当者に心理的な抵抗がある)
評価をもとにBPR施策を仕分ける
前章で各施策を評価できれば、「①効果/価値の大きさ」と「②実行難易度」の2軸の評価をもとに、以下のマトリックス図に施策を配置してみます。
例えば、右下に該当する、「①効果/価値:高、②実行難易度:低」の施策は、優先して最初に取り組むべき施策です。実行するハードルは低いですが大きな効果が見込めるため、今すぐにでも取り掛かりましょう。
また、右上の「①効果/価値:高、②実行難易度:高」に該当する施策は、取り組むのに時間やコストが大幅にかかってしまうものの、施策がもたらす効果が大きいため、関係者と協議の上、実施するかどうかを判断しましょう。
BPR施策は振り返りも大切
BPR施策の中には、実行するために時間やコストがかかる施策もあります。実際にBPR施策によって期待していた通りの効果が得られたのか、実行するための時間やコストは想定内に収まったのかどうか、などの観点で振り返りをすることが必要です。
もし、期待通りの効果が出なかった場合は、なぜ効果が出なかったのか原因を分析し、次のBPR施策の実施時に活かせるようにPDCAサイクルをまわすことが大切と言えます。
ぜひ本記事を参考にBPR施策を実行に移してみてください。
IT調達ナビでは、システム発注に関わるすべての人へのお役立ち記事を公開しています。システムの導入によって業務改革や業務効率化を目指したい方は、ぜひ他の記事もご覧ください。