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情シスの仕事内容は?情報システム部門の役割や業務内容、必要なスキルについて徹底解説!

「4月から情報システム部門に配属されたけど、どんな仕事内容なんだろう・・・」

「ITの専門知識ないけど大丈夫かな・・・」

新しい部署への配属、特に配属先が情報システムという専門的な部署となると不安になってしまいますよね。

特に近年は日本国内においてIT技術を活用したDX推進の重要性が取り上げられるようになってからは、情シスは組織内においてより一層重要な部門と認識されることが増えてきている状況です。

本記事は、新しく情報システム部門に配属される方に向けて、仕事内容や必要な知識、あらかじめ知っておいた方が良いことなどについてわかりやすくまとめている記事です。

本記事を読むことで情シスの業務内容や期待される役割について具体的にイメージを持つことができ、情シス部門について理解を深めることができます。

これから情シスとして勤める方はもちろん、情シス部門に興味のある方はぜひご一読ください!

情シス(情報システム部門)とは?

「情シス」とは、「情報システム部」や「情報システム課」の略称です。

詳しくは後述しますが、主な業務として組織内の情報システムの企画・開発・運用・保守を担当しています。

また、大企業や大規模な公共組織においては、業務内容ごとに組織や係が細分化される傾向があります。

下記はその一例です。

  • IT企画・情報政策チーム
  • インフラ運用チーム
  • アプリケーション開発・保守チーム など

規模が大きめな自治体(中核市以上)であれば、DX推進を行う情報政策的な部署(例:DX推進課)と、基幹システムの実運用等を行う部署(例:情報システム課)に分かれていることが多いです。

逆に中小企業や小規模の自治体の場合、すべての役割を一つの部門で担っていたり、場合によっては専門の部署が無いケースもあります。(いわゆる「ひとり情シス」です)

私はかつて自治体職員として勤務しており人事異動により情シス部門に配属されましたが、専門知識習得はもちろんのこと、庁内の全部署と関わることで広く浅く業務知識を得られたことが、振り返るといい経験になったと感じています。

情シスの主な業務内容について

情シスが担っている主な業務についてご説明します。

社内システム・ITインフラの管理運用

社内で使われているシステムやITインフラ(PC・サーバー・ネットワークなど)の管理運用を行います。

具体的なタスクとしては、下記のものがあります。

  • 社内システムの権限をユーザーに適切に付与する
  • 社内システムの障害対応
  • PC管理、ソフトウェアインストール
  • PCやサーバーへのセキュリティパッチ適用
  • ネットワーク回線のメンテナンス対応(業者作業の立ち合い、現場との調整など)
  • ネットワーク障害対応
  • ハードウェアの機器更新(PCなど)

特に大変な部分ですが、システムやネットワークに障害が発生した際は影響が大きいものであった場合、暫定的にでも復旧するまで帰れなくなってしまうこともあります・・・

IT企業や情シス部門の経験者以外の方には理解されない点ではありますが、システムやWebサイトが正常に使えるという状況は、その陰にいる多くの人の労力によって保たれているものです。

また、組織によってはいくつかの業務についてBPO(外部事業者への業務委託)を行っているケースもありますので、その場合は必ずしも自身で対応しないといけないというわけではありません。

システム導入(調達)・刷新プロジェクトの推進

情シス部門の特に重要な業務の一つが、新しいシステムの導入や、既存システムの刷新プロジェクトの推進です。

プロジェクトの成否が、組織内の業務効率の向上やビジネス変革に直結するという観点において非常に重要な仕事です。

具体的な調達方法やプロジェクトの進め方については、下のリンクの記事が参考になりますのでご一読ください。

〇ERP選定の重要なポイントについて

ERP選定における重要な考え方やポイント、製品比較の評価観点を解説!

〇RFIの解説記事

【項目サンプルあり】RFI(情報提供依頼書)とは?目的やメリット、RFPとの違いを分かりやすく解説!

〇RFPの解説記事

【初心者編】RFPとは?RFP作成のメリットや注意点、RFIやRFQなど分かりやすく解説!

〇自治体のシステム調達プロセスの解説記事

自治体のシステム調達プロセスにおけるポイントについて詳しく解説!

情報セキュリティ対策の実施とモニタリング

組織内の情報セキュリティ対策についても情シス部門の業務です。

組織内の情報セキュリティポリシー(組織内の情報セキュリティに関する考え方及び対策方針や具体的な対策手順、機密性等の情報分類の基準などが記載されたもの)を策定するだけでなく、正しく運用されているかどうかモニタリングする必要があります。

また、技術的な対策だけでなく、人的な対策も非常に重要です。

具体的には、社員のセキュリティ教育を徹底(e-ラーニングや標的型メール訓練など)し、定期的に内部監査を行うなどして自組織内のセキュリティ対策の質を保つ必要があります。

そのほか現場的な実務として、PC等のハードウェアに最新のセキュリティパッチ適用を行う、PCやサーバーに必要なセキュリティ対策(適切な権限設定、外部機器接続の制御、マルウェア対策ソフトウェアの運用など)を行う、セキュリティ機器(FWなど)の運用などがあります。

ヘルプデスク・社内サポート業務

システムやPCの利用方法など、困りごとが発生した際に対応するヘルプデスク的な業務も情シスの仕事内容です。

ヘルプデスクに関しては、規模が大きい組織であれば外部委託を行っているケースがほとんどです。

外部委託を行っていない場合は、様々なトラブルに対して情シスが直接対応することになります。

対応する際のポイントですが、ヘルプデスクに困った!と連絡してくる時点で、その相手はあまりIT知見が無いと思って対処したほうが良いです。

具体的には、連絡相手が電話などで言っていることを鵜吞みにして対応を進めると、後々になって全然違う話だったことに気づくといったことが起こりがちです。

そのため、連絡相手は「何がわからないかもわかっていない可能性がある」という前提に立ち、トラブル対応の際には何が起きているか直接現場で確かめることがとても重要です。(遠隔地の場合はリモート接続等で画面を確認するなど)

委託先ベンダーの管理

こちらも情シスの重要な業務の一つです。

前述のヘルプデスク業務や基幹システムの運用保守などを委託しているベンダーの管理を行う必要があります。

基本的にITベンダーは専門知識を多く有しており、自組織のやりたいことを明確化して伝達することで効果的に協力してもらうことができますので、良好な関係を構築することがとても重要です。

ただし、本来自社で考えるべきことまでベンダーに丸投げしてしまい言いなりになってしまうケースもままありますので、つかず離れずの良好な関係を維持するバランス感覚も情シス担当者に求められる要素です。

情シス担当者に求められるスキルと知識

情シス担当者に必要なスキルや知識についてご説明します。

必要な技術知識

情シス担当者は、業務を効果的に遂行するために様々な技術知識とITリテラシーが求められます。

必要な技術知識については非常に広範であるため、主なものを列記します。

ネットワーク関連

  • TCP/IPの基本的な仕組みと主要プロトコル
  • LANとWANの構成要素と接続方法
  • ルーター・スイッチなどのネットワーク機器の基本的な設定
  • VPN(仮想プライベートネットワーク)の仕組みと利用シーン
  • ファイアウォールやプロキシの役割と設定方法

サーバー・ストレージ関連

  • 物理サーバーの基本構成と主要コンポーネント
  • 仮想化技術(VMware、Hyper-Vなど)の基本的な理解
  • RAIDやバックアップの仕組みと障害対策
  • クラウドインフラ(AWS、Azure、GCPなど)の基礎知識
  • サーバーリソース(CPU、メモリ、ディスク)の監視と管理方法

OS・ミドルウェア関連

  • WindowsサーバーおよびLinuxの基本的な管理コマンド
  • Active Directoryなどのディレクトリサービスの基本
  • データベース(SQL)の基礎知識

基幹システム・ERP・グループウェア等の基礎

  • 基幹システムの主要な機能(会計、販売、在庫など、公共組織であれば各業務システム)の理解
  • データの流れと連携ポイントの理解
  • パッケージシステムについての理解
  • Microsoft 365やGoogle Workspaceなどの主要機能
  • ファイル共有や権限管理の基礎知識

【パッケージシステムに関する参考記事リンク】

パッケージ導入時の要件定義に必要な「Fit&Gap」とは?実施方法やポイントを解説

パッケージ導入の鍵を握る「アドオン」と「カスタマイズ」それぞれの違いと留意点を解説!

業務アプリケーション全般

  • 主要なファイル形式と互換性の理解
  • アプリケーション間のデータ連携の基本
  • ライセンス管理の基礎知識

情報セキュリティ関連

  • 機密性・完全性・可用性(CIA)の理解
  • アカウント管理と適切なパスワードポリシー
  • マルウェア対策の基本
  • セキュリティパッチの適用とその重要性
  • 情報漏洩対策の基本的な方法
  • インシデント発生時の初動対応の流れ
  • 情報セキュリティポリシーの理解と策定方法

記載した内容についていきなり全部は覚えられないと思いますので、まずは様々な業務に関係するインフラ系(ネットワーク・セキュリティ・ハードウェア関係など)の知識から、段階的に身につけることをおすすめします。

コミュニケーション能力

意外に思われたかもしれませんが、情シス担当者は特にコミュニケーションスキルを磨いた方が良いです。

情シス担当者は社内外問わず、様々な立場の人と関わることになります。

例えば、業務システムの開発や運用保守をベンダーに委託した際にも、お互いの認識の相違が原因となって、見当違いの機能のシステムを開発してしまったり、本来の意図とはかけ離れた対応をされてしまう、といったことが起こりがちです。

また、社内の他部署の人とも立場の違いや業務知識の過不足など、お互いの前提が違う中で仕事を進めていかないといけない場面が多数存在します。

そのため、様々な立場の人と正確かつ円滑にコミュニケーションを行うことができれば、手戻りやトラブルを起こす可能性が低減され、結果的に自分の業務を効率よく遂行することに繋がるというわけです。

情シス担当者に役立つ資格

情シス担当者に求められる知識を体系的に身につけるためには、以下のような資格を取得することも有用です。
※ほかにも様々な資格がありますが、初心者向けの資格を抜粋しています。

ITパスポート試験

  • 難易度:★☆☆☆☆(入門レベル)
  • 特徴:IT全般の基礎知識を問う国家試験。情報処理技術から経営管理まで幅広く出題
  • メリット:IT用語の基本を理解することができ、他部門やベンダーとのコミュニケーションをスムーズに行えるようになる
  • 学習期間の目安:1〜2ヶ月

基本情報技術者試験

  • 難易度:★★☆☆☆(基本レベル)
  • 特徴:プログラミングやシステム開発の基礎知識を問う国家試験
  • メリット:IT技術者としての基本スキルを有している証明になり、広範なIT基礎知識を身につけることができる
  • 学習期間の目安:3〜6ヶ月

情報セキュリティマネジメント試験

  • 難易度:★★☆☆☆(基本レベル)
  • 特徴:情報セキュリティ管理の基礎を問う国家試験
  • メリット:セキュリティ対策の基本知識を身につけることができる
  • 学習期間の目安:2〜3ヶ月

資格試験の情報について

ご紹介した資格は、全てIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している試験です。

試験の開催情報など、詳細についてはIPAのホームページをご確認ください。

【参考リンク:IPAの試験情報ページ】

試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

新任情シス担当者が最初に取り組むべきこと

情シスに配属されたら、まず初めに優先的に取り組むべきことを自身の経験も踏まえてお伝えします。

わからない用語などを調べる癖をつける

未経験で情シスに配属されると苦労する点としては、専門用語が理解できず周りが何を話しているのか把握することができない状況になりがちなことです。

IT用語は特に横文字やアルファベット3文字~4文字の似たような略語が非常に多く、意味がわかりづらく感じるかもしれません。

私も配属されて間もない頃は、一人だけ言葉の通じない海外に来てしまったような感覚を受けたものです。

対応策としては、わからない用語をメモしておき、後からWeb検索も活用して少しづつでいいのでそれぞれの用語についての理解を深めていくことです。

最初は話がわからずに辛い思いをするかもしれませんが、焦らず一つずつ理解していくことで、いずれ全体像がわかるようになりますので落ち着いて取り組みましょう。

また、我々のサイトでも専門用語について解説する用語集を作成していますので、少しでも理解の助けになれば幸いです。

【用語集の参考リンク】

用語集 – IT調達ナビ

自組織のネットワーク構成の把握

自組織内のネットワーク構成について、なるべく早く把握することで業務の理解スピードが向上します。

多くの組織では自分たちまたは委託しているベンダーにより「ネットワーク構成図」を作成し管理していますので、この「ネットワーク構成図」を確認することで全体像を掴むことができます。

自組織内にどんなシステムがあるのか、外部拠点の数や特徴、通信経路(物理的・論理的)はどうなっているか、ルーターやPCの数などについて、なんとなくでも把握しておくことで少しづつ業務への理解が深まっていきます。

逆にネットワーク構成の把握ができていない状態だと、いつまでたっても何の話をしているのかわからない状態になりがちですので、優先的に取り組むようにしましょう!

また、自治体の場合は、特にネットワーク構成が複雑でわかりづらく特殊です。

自治体のネットワーク構成については、下記の記事を読むと理解が深まりますのでご一読ください。

自治体における「三層分離」とは?実現モデルについて解説!

自組織内のキーパーソンと信頼関係を構築する

少し毛色の異なる話ですが、自組織内のキーパーソンと信頼関係を構築しておくことをおすすめします。

キーパーソンとは、業務知識を有しており信頼できる人物のことです。(周囲から頼りにされている人物)

他部署にいるキーパーソンと良好な関係を保っておくと、何かお願い事をするときに非常にスムーズに進めることができます。

これは、キーパーソンとなる人物は周囲からも信頼されており、発言力や影響力が大きいためです。

そのため、何かしら業務担当課の協力をお願いしたい場面(現状の業務フローの調査、システムメンテナンス日時の調整など)があった際、キーパーソンを通して調整することで円滑に合意形成まで進めることができるという結果になります。

多くの情シス部門が抱えている課題

リソース不足

情シス部門の抱える課題の一つであるリソース不足は、大きく分けて人的リソースと金銭的リソースの二つがあります。

以下はそれぞれのリソース不足により発生する問題の一例です。

人的リソースの不足

  • 専任の担当者が少なく、1人で複数の専門領域をカバーせざるを得ない
  • トラブル対応に追われ、改善や将来への投資活動ができない
  • 24時間365日のシステム監視や障害対応が必要なのに交代要員がいない
  • 新規プロジェクトの推進と日常業務の両立が困難
  • 技術の進化に対応するための学習時間が確保できない

金銭的リソースの不足

  • 基幹システムの更新や大規模投資の予算獲得が難しい
  • セキュリティ対策やインフラ整備に十分な投資ができない
  • 外部委託やクラウドサービス導入のコストが捻出できない
  • 人材育成や資格取得のための教育予算が限られている

急速な技術変化への対応

情シス部門が直面する大きな課題の一つが、急速発展するITテクノロジーへの対応です。

クラウドサービス、AI、IoT、セキュリティ技術など、次々と登場する新技術を調査しつつ、自社に適した技術を見極め、導入していくことが求められています。

しかしながら、現実問題として前述のリソース不足も相まって、現状維持が精いっぱいとなってしまう組織も多数存在します。

自組織内だけで対応が追い付かない場合は、専門的な知見を持った外部事業者のリソースを活用することも有効な選択肢です。

情シス部門の価値が正当に評価されない

これは私も情シスとして働いていて何度も実感する場面がありましたが、情シス部門の価値や貢献度合いが組織内で正当に評価されないというジレンマを抱えています。

正当に評価されない理由は構造的なものもあり根深い問題ですが、主なものは下記です。

  • システムが正常に動いていることは「当たり前」と捉えられがち
  • トラブルを未然に防ぐ予防的な活動の価値が認識されにくい
  • セキュリティ対策など目に見えない防衛的投資の重要性が伝わりにくい
  • 情シス部門は「コストセンター」として見られることが多い
  • 営業や製造など直接的な収益に貢献する部門との対比
  • IT投資の効果が数値化しにくく、ROIの説明が難しい
  • 技術的な説明が経営層や一般社員に伝わりにくい
  • 地道な改善活動や安定運用の価値が目立たない

当社としては上記のような情シス部門が正当に評価されていない現状に対し、強い問題意識を持っています。

当社は日本のすべての情シス部門は誇りを持って働ける組織であるべきと考えており、日本企業のDX推進の真の成功に貢献するためのサービス提供を行っています。

【関連記事】

情シス部門を、誇りを持って働ける組織にする。 | 株式会社 グローバル・パートナーズ・テクノロジーのプレスリリース

まとめ

情シスの仕事内容や必要な知識、課題などについて解説しましたが、情シスに対する理解は深まりましたでしょうか。

配属直後の方は色々と苦労される場面も多いと思いますが、情シスは広範なIT知識を身につけることができる部門ですので、成長の機会と捉えて業務に取り組んでいただければ幸いです。

また、当社では情シス部門向けに様々なサービス提供を行っております。

「DX推進したいけど何から取り組んでいいのかわからない・・・」

「システム調達やベンダー選定を行わなければならないが、リソースも知見も不足している・・・」

「情シス部門を改善したいけどどうすべきかの答えが見えない・・・」

このようなお悩みについても当社のサービスを活用することで解決できますので、お困りの方はぜひお気軽にお問い合わせください!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

この記事の編集者

錦戸 優輝

錦戸 優輝

約10年自治体の情報システム部門の職員としての経験があり、三層分離やマイナンバー制度開始時の対応など様々な業務に携わってきた。自治体退職後は民間企業のSIerでクラウドサービスを運用するSEとして勤務し、その後IT調達ナビの運営会社である(株)グローバル・パートナーズ・テクノロジーに中途入社。ITコンサルティング業務に従事しつつ、IT調達ナビでシステム発注に役立つ記事を展開するメディア運営業務にも携わる。

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