
キッティング
キッティングとは、企業がPCやスマートフォンなどのITデバイスを導入する際、業務利用可能な状態に整える一連のセットアップ作業を指します。
新入社員の入社時や故障時の交換の際などに実施されます。英語の「kitting(装備一式を整える)」が語源です。
一般的なキッティング作業には、OSのインストールやアップデート、セキュリティソフトの導入、社内で使用する基幹システムの設定などが含まれます。また、無線LANの設定やメールアカウントの登録なども行われます。
企業のデジタル化が加速し、従業員一人一人にPCやタブレットなどの端末を支給するケースが増加しています。そのため、大量の端末を効率的に配布・運用する必要性が高まっています。
導入するデバイスの数が多い場合は、事前にマスタイメージを作成し、それを複数台にコピーすることで省力化を図ることが出来ます。また、キッティング作業を専門業者に依頼することでも、IT部門の負担を大幅に軽減できます。
統一された設定と管理により、セキュリティリスクの低減にも繋がります。
さらに、従業員が受け取ってすぐに使用できる状態で端末を提供できるため、業務の立ち上げがスムーズになるというメリットがあります。
関連する用語としては、マスタリング(基本となる設定を作成する作業)やイメージ展開(マスタとなる設定を他の端末に複製する作業)があり、これらはキッティングの重要な工程となっています。
よくある誤解として、キッティングは単なる機器の初期設定だと思われがちですが、実際には企業ごとのセキュリティポリシーや業務フローに合わせた細かな設定が必要となります。
キッティングは、テレワークの導入や事業所の移転、組織改編による大規模な機器の入れ替えなど、さまざまなシーンで活用されています。事前に十分な計画を立て、必要に応じて外部に委託することで、スムーズな導入が可能となるでしょう。