提案・見積もりをシステム開発会社に依頼する前に知っておきたい5つのこと
社内の業務システムの入れ替えや、新規システムを導入する際、どのシステム開発会社に発注するかどうか決めるために、パートナーとなるシステム開発会社を探し、声をかけることがあると思います。
ただし、なかなか理想とするシステム開発会社が見つからない、声をかけて見積もりを依頼したが対応してもらえなかった、といったことはありませんか。
システム開発会社とのコミュニケーションをスムーズに進めるためには、システム開発会社がどんなことを考えているのか理解しておく必要があります。そこで本記事では、システム開発会社がどのような判断基準で提案活動をするか決めているのか、システム開発会社が発注者側に対して何を考えているのか、解説します。
この記事を読んだ上でシステム開発会社とのコミュニケーションを進めれば、双方が気持ちよく取引を進められるはずです。
目次
提案・見積もりを依頼した際に断られてしまうこともある
冒頭に記載した通り、連絡をとったシステム開発会社に見積もりを依頼した際、「社内の工数が確保できない」などの理由で断られた経験がある方もいると思います。
改めて発注側として意識しておきたいのは、見積もりを含む提案活動というのは、システム開発会社が“無償で”実施しているという点です。
もちろん発注者側としては、相見積もりを取得した上で比較検討をしたいという想いもあると思います。
ただし、システム開発会社は無償で提案活動をしており、受注につながる可能性の低い無意味な提案活動は工数の無駄遣いに繋がってしまうため避けたい、という想いがあることを理解しておきましょう。
システム導入のプロジェクトは、システム開発会社からの提案なしでは一歩も前に進みません。システム開発会社からよりよい提案を受けるためには、まずは発注者側が提案をしていただけることに感謝の気持ちをもち、システム開発会社側の立場や懸念点をくみ取った上でコミュニケーションする必要があります。
提案・見積もりを依頼する際に知っておきたいシステム開発会社の5つの事情
ここでは、システム開発会社とのコミュニケーションをとる際に意識しておきたいシーンとして、特に「見積もりを依頼するとき(RFPを発出し、提案の提出を依頼するとき)」を例に出し、システム開発会社が提案をするかどうかを判断している5つの観点についてお伝えします。
売上に繋がるかどうか
まずは、当然ですが、「売上に繋がるかどうか」です。 案件の規模自体もですが、発注者側から提示されている要件やスケジュールを踏まえ、社内の稼働費を算出し、受注できた際の金額に採算性があるかどうかを見ています。
自社が対応できる範囲かどうか
社内の工数、スキル、体制を踏まえ、発注者側から提示されている要件を自社で対応できるかどうかを確認します。
手の空いているエンジニアがいない、案件が大規模であるため自社だけで対応できない、といった理由で見積もりを断られるケースが多いと想定されます。 なお、システム開発会社によっては自社だけで対応できない場合、協力会社から要員を確保した上で提案をすることもあります。
受注できる可能性は高いか
コンペの場合、自社が受注できる可能性が高いかどうか、もシステム開発会社が気になる観点の1つです。
特に、現行システムの刷新プロジェクトの場合、現行システムの開発や運用・保守を担当しているシステム開発会社が業務やシステムのことをよく理解しているため、現行のシステム開発会社に勝てる見込みがあるかどうか、を見ています。
現行のシステム開発会社への発注を考える場合には、新規に提案に参加するシステム開発会社に対して、情報格差を是正するための対応を行うことが求められます。
受注した場合にリスクはないか
発注者側自身がプロジェクト業務に時間を割けずプロジェクトが進まない可能性はないか、支払い能力はあるかどうかなど、受注した場合のリスクも検討材料の一つです。
提案を依頼する前に、システム開発会社が懸念していることがあるかどうかを確認し、もしリスクに対する懸念点があれば、発注者側の情報も共有しつつクリアにしておきましょう。
他の案件への発展可能性はあるか
今回の提案活動を経て受注をした後、同じ社内の他部署のシステムの開発に関与できるかなど、他案件へ発展する可能性があるかどうかもポイントです。 他の案件へ発展する可能性があるとすれば、1つ目の項目である「売上に繋がるかどうか」にも該当するため、提案意欲としてはプラスになることが考えられます。
良好な関係性を築きましょう
RFPなどを通じて提案や見積もりを依頼する際には、上記の内容を意識した上でシステム開発会社とコミュニケーションをとることで、システム開発会社側も提案がしやすくなり、良い提案をもらえる可能性が高まると考えられます。
システム開発会社と良好な関係性を築くことができれば、もし今回の案件ではパートナーとして発注することにならなかったとしても、他の案件での提案や見積もりに協力をしてもらえることもあるかもしれません。 発注した後はもちろんですが、発注する前のシステム開発会社とのコミュニケーションを意識することで、プロジェクトの成功に一歩近づくのではないでしょうか。