ガバメントクラウド
ガバメントクラウドとは、政府機関や自治体の情報システム利用環境として政府が整備したクラウドプラットフォーム及びその利用サービスの総称のことです。「ガバクラ」「Gov-Cloud」と表記されることもあります。
現在ガバメントクラウド対象のクラウドサービスは以下のとおりです。
- Amazon Web Services
- Google Cloud
- Microsoft Azure
- Oracle Cloud Infrastructure
- さくらのクラウド(※2025年度サービス提供予定として開発中)
これまで各団体が個別に整備していたシステム利用環境を統一し、業務システムの開発や運用保守に係る業務負担やコストを軽減し、国民に提供する行政サービスの質を向上させることを目的として整備されています。デジタル庁のWebサイトでは下記のように記載があります。
政府共通のクラウドサービスの利用環境です。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とし、利用者にとって利便性の高いサービスをいち早く提供し改善していくことを目指します。地方公共団体でも同様の利点を享受できるよう検討を進めます。
デジタル庁Webサイト:https://www.digital.go.jp/policies/gov_cloud/
メリット
1.セキュリティ強化:一般的にクラウドサービスでは、最新のセキュリティツールが利用できるため高いセキュリティを確保することができるが、ガバメントクラウドの利用サービスはそれに加え「政府情報システムのためのセキュリティ強化制度(ISMAP)」登録が前提とされており、統一的なセキュリティ要件が既に確保されているため団体毎に差異が無く安全な環境を利用することができる。
2.運用コスト削減:団体個別にサーバ等ハードウェアやOS等ソフトウェアを整備する必要が無くなり、そのメンテナンスや更新等にかかっていた費用を軽減することに繋がる。
3.システム環境整備の効率化:クラウドサービスを利用することにより、ハードウェア調達やシステム設計を要せずサービスの利用が可能になる、設定や利用プランの変更のみでリソースを増減することが可能になる等、従来のオンプレミスのシステムと比較し迅速なシステム構築や柔軟なシステム拡張が可能となる。
現在自治体で進められている自治体情報システム標準化では、標準準拠システムへの移行に合わせたガバメントクラウド利用を努力義務としており、上記のようなメリットが期待されています。しかし、先行事業に参加した自治体の中には、これらのメリットについて懐疑的な意見もあり、また、非機能要件の標準化についての難易度等、新たな課題も出できている現状があります。
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