• プロジェクトストーリー

大手コンサルファームと並んで、わずか十数人しかいないGPTechに舞い込んできたのは独立行政法人プロジェクト。いったい、どのようなプロジェクトなのか、関わっていたメンバーに語っていただきました。

MEMBER

  • 奥村 学シニアコンサルタント

    「GPTechは、本当にシステム導入が必要なのかどうかから考えていく。とことん本質に迫ることができて、とことんお客さまに寄り添えるのが魅力ですね」

  • 丁 大方コンサルタント

    「中小企業から省庁関連のプロジェクトまで、幅広い経験ができる。経営者とも仕事ができる機会がある。これほど成長機会の多い環境は、あまりないと思います」

大事なのは、
どんなシステムをつくるかより、
なぜつくるか。

ODA(政府開発援助)を活用して、開発途上国を支援する。そんな外務省管轄の独立行政法人が全体システムの刷新を決定しました。GPTechは国内拠点で海外研修員の受け入れをコーディネートする部のプロジェクトに参画。システムにどのような機能を実装するのかという「要件定義」と、システム開発会社の選定を支援することになりました。

  • 奥村システム刷新する場合、大抵は「業務効率を上げるため」など刷新する目的があります。今回の場合、独立して稼働している各システムを刷新して、全体で連携が取れるように最適化したいというニーズがありました。しかし、どのように刷新するか、刷新してなにを実現したいのかという目的が不明確で、各拠点によって意見が統一されていなかったのです。システムを刷新するなら、こうしたいという意見はたくさん出ました。しかし、なぜ刷新するのかという問いに明確な解答がなかったのです。今回担当した事業部の拠点は、国内に10ヶ所以上あります。各拠点の意向をそのままシステムに反映してしまうと、間違いなくプロジェクトは失敗します。システム刷新で成し遂げたいことが、それぞれバラバラだからです。やろうと思えば、お客さまの希望だけを聞いて、システム要求をまとめることはできますが、GPTechの使命は、システム開発ではありません。ITで業務変革を起こすことです。IT投資対効果をあげるため、「どのようなシステムをつくるのかの前に、まずは目的を整理して、明文化しましょう」。そんな提案からこのプロジェクトがはじめることにしました。「各部独立して運用していたシステムを統一して業務効率化をはかり、より本質的な業務に集中できる環境を実現する」。プロジェクトスタート当初におこなったことでしたが、目的整理・共有を丁寧にやったことが、結果的にプロジェクト成功のポイントとなりました。

深く掘り続けなれば、現れない答えがある。

目的共有のあとは、いよいよ要件定義。何を作って何を作らないかを明確にするフェーズです。非常に重要な工程ですが、スケジュールは決して余裕のあるものではありませんでした。

  • 今回、GPTech史上においても、1、2を争うビッグプロジェクトでした。いくつもの別チームも動いており、世界的にも知名度の高い大手コンサルファームばかり。その横並びに、小規模ファームの当社も参画して切磋琢磨していました。各チームの開発システムが相互に関連しているため、足並みを揃える必要があります。もちろん、スケジュールに遅れるのはもってのほか。常に状況を確認できるように、定例会議やその都度の個別ミーティングを開催していました。自分たちのプロジェクトのことを考えていればいいというわけではないのです。かといって、急げばいいというものでもない。開発が失敗する多くの原因は、「まぁいいか」と、仮説立てや検証を深く追求せず、結論を急ぐことに起因します。既存システムの仕様確認、現状調査など、雑におこなっていい業務はひとつもありません。短期間だとしても、ギリギリまで考える。どれだけ深掘りできるかにこだわって、業務に取り組んでいました。

パートナーだからこそ、
お客さまの言いなりにならない。

  • 目的共有のあとは、いよいよ要件定義。何を作って何を作らないかを明確にするフェーズです。非常に重要な工程ですが、スケジュールは決して余裕のあるものではありませんでした。

    奥村「たくさんのチームが参画するなかで、プロジェクトの進め方、短期間で深掘りする力もふくめて、正直期待以上だった」というお言葉をお客さまより頂きました。当社は発注者側のIT発注の体制強化を大切にしています。プロジェクトの成功にコミットするだけではなく、ご担当者さまの知識やスキル強化に貢献することも重要なミッションです。そのため「業務フロー上の改善点や様々な問題点を指摘してもらい、また知識面でも多くの気づきを得ることができたので、体制面でのレベルアップにもつなげることができました」と言って頂けたことが、うれしかったですね。

    スキル面では、他のチームと大差ないと思います。大きく違うのは、「発注者側に立ち、支援する」というスタンスではないでしょうか。一般的には、ツールやシステムを軸にしてシステム要件をとりまとめるまでが業務範囲で、その要件にGOサインを出すかどうかはお客さま判断です。しかし、我々は、システムを軸に考えるのではなく、お客さまを軸にして考えます。だから、ただ要件をとりまとめるだけではなく、その後の意思決定もスムーズにできるようにフォローする。ときには、指摘もする。徹底的にお客さまに寄り添う姿勢を、評価していただいたのだと思っています。

プロジェクト終了は、
次の挑戦のスタート。

GPTechの代表事例となった本プロジェクト。2人の社員にとって、どんなプロジェクトだったのでしょうか。

  • 正直、ラクだと思ったことは一つもなかったです(笑)。特に資料作成は苦労しましたね。要件定義をしていくなかでは、「間違いなく、誰が読んでも理解できるものをめざせ」と言われ続けて、代表の坂本に何度もレビューしてもらいました。でも、楽しかったです。挑戦の多い仕事でした。入社して日が浅かったにも関わらず、打ち合わせやシステムの現状調査など、私1人に任せていただける機会も多かったので。お客さまとの接し方、プロジェクトの進行方法、要件定義まで、すべてに関わることができました。この仕事のあと、社内でも求められる仕事の質が上がった気がします。得たものが多すぎるため、まだ消化不良ですが、引き続き挑戦してきたいです。

  • 奥村知識やスキル面での成長も、実感しています。この前、過去に制作した自分の資料を見返したのですが、ちょっと恥ずかしくなりましたから(笑)。他のメンバーのマネージメント役として参画したのも、今回が初めての経験でした。部下を導く立場ではありましたが、勝手がわからず、周囲の経験豊富なメンバーにずいぶんと支えてもらった気がします。実は、お客さまからご評価いただき、引き続き支援させていただいているんです。今度は、システム設計開発の全体の工程管理です。これからもっと、人が必要となる状況。だからこそ新卒社員が入社したとき、今以上にメンバーをうまくまとめられる自分でいたいですね。