上場対応_基幹業務システム刷新プロジェクト
株式会社オートサーバー 様
概要
IPOに向けたリアルタイムな経営数字の把握や統制の強化を目的とした基幹システム(ERP)の刷新プロジェクトに参画した。
当社は本プロジェクトにおいて、従来システムの調査、IT業務処理統制の有効性の評価を行い、その後、システム企画のコンサルティング、システム開発ベンダーの選定、及びPMO業務等の、IT構想の策定及びIT調達支援を行った。
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Overview
2014年1月に台湾証券市場への上場を果たされたオートサーバー様。上場に向けた基幹システムの刷新にあたり、グローバル・パートナーズ・テクノロジー(GPTech)のIT調達支援サービスをご利用いただきました。プロジェクトに携わられたオートサーバー様から2名、システム受注された株式会社ティ・エイチ・アイ様から1名に同席いただき、プロジェクトについて振り返っていただきました。
「今回のプロジェクトでは、限られた期間の中で株式上場に向けたシステムを導入する必要があり、社内メンバーだけで進める限界を感じていました。そのため、現場運用を把握しつつ、経営方針に沿ったプロジェクト推進ができると期待したGPTechに支援をお願いしました。」
株式会社オートサーバー
システム本部長 藤田 弘文氏(写真左)
システム部 部長 高柳 博晃氏(写真中)
株式会社ティ・エイチ・アイ
畔柳 光也氏(写真右)
- オートサーバーさんはどのような事業を行っているのでしょうか?
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- 藤田様
- オートサーバーは、日本各地にある100箇所以上の中古車自動車のオークション会場をネットワークで結び、4万を超える会員企業様にご利用いただく、中古車流通ネットワーク「ASNET」を運営しています。
「ASNET」では提携しているオークション会場に出品される車両情報を出品情報として公開し、中古車販売店などの会員様がリアルタイムにオークションに参加していただき落札・成約することができるシステムです。
- システムの刷新を目指された理由は何でしたか?
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- 藤田様
- もともと業務支援システムと呼ばれる基幹システムが稼働していましたが、ベースとなるシステムは10年以上前の創業当時に構築されたもので、追加構築を繰り返した結果、システム構成が非常に複雑になってしまっていました。その結果として経営数字の把握に非常に時間が必要な状況でした。 社内では、IPOを検討している状況であり、経営数字をリアルタイムに把握することと統制の強化が必須であったため、システムを刷新する判断をしました。
- GPTechには、どのような仕事を頼まれましたか?
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- 藤田様
- 結果的にはGPTechには2段階の発注をしたことになります。まず、最初のフェーズでお願いしたのは現行システムを調査していただき、IT業務処理統制の有効性を評価するとともに、何が問題で対処する課題が何なのかを明確にすることです。調査していただいた結果、上場に向けてはシステム刷新が避けられないとのレポーティングをしていただきました。 次フェーズでは実際にシステム刷新に伴う、システム企画のコンサルティング、システム開発ベンダーの選定、そして私たちユーザ企業サイドに立ったPMO業務をお願いしました。
- GPTechに依頼することになったきっかけを教えてください?
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- 藤田様
- 本来ならば社内のシステム部門や経営企画部門が主導していくところかもしれませんが、日常業務の延長で刷新を検討すると、どうしても目先の仕組みの改善になりがちです。また、現場運用を抑えることも重要ですが、経営観点から、より客観的な判断をすることが必要であり、一歩引いた目から判断していただく為にも社外の専門家が必要と考えていました。 さらに、IPOスケジュール上、証券会社や監査法人から期限を切られており、与えられた期間がとても短く、私たちだけでシステム導入を実現するのは、無理だと感じていました。
そんな中で、坂本社長とお話をさせていただきGPTechには、それができるであろうと期待して発注しました。
- THIさんについて簡単にご紹介ください。
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- 畔柳様
- 株式会社ティ・エイチ・アイは、「中古建機オークション事業」「システム開発・ソリューション事業」の2つの大きな事業があります。「システム開発・ソリューション事業」は、’90年代半ばに中古車自動車の衛星通信利用者向けのオークションシステムを開発して高い評価をいただきました。それを契機に、リアルタイム性の高いオークションシステムの開発中心にソリューション事業として展開しています。
- 今回のプロジェクトを推進する上で特に意識した課題は何でしょうか?
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- 畔柳様
- 上場基準を満たすシステムの要求水準と期間の2つが重要な課題で、特にプロジェクトの期間が短いことが大きな課題でした。オークションシステムだけであれば、弊社でも十分に対応はできると思っていましたが、オークションシステムから会計までを網羅した一気通貫のシステムをこの短い期間で導入した経験がありませんでしたので、プロジェクトのお話を伺った際には絶対に無理だと思っていました。
- ベンダーサイドから見て、受託に向けた提案をされている段階での、
GPtechの印象はどのようなものでしたか? -
- 畔柳様
- 私たちはこれまでの別プロジェクトでコンサルティング会社と一緒にプロジェクトを進めたけ経験があったのですが、これまで一緒に仕事をしたコンサルティング会社はプロジェクトの方針的な話や概略的なことでしか要件提示しておらず、細かい確認はベンダーとユーザでお願いしますとのスタンスでしたので、コンサルティング会社に対してあまりいい印象がありませんでした。ですから、コンサルティング会社のGPTechさんに最初にお会いした時には、非常に用心していました。 しかし、一緒にプロジェクトを進めさせていただくなかで、非常に細かいところまで調査され把握されていたので、私たちは安心して自分たちのタスクに集中することができました。
プロジェクトのアプローチの方法も、システムよりのアプローチと会計面からのアプローチの双方をバランス良く見られていましたので、ベンダーサイドからしても本当に安心することができました。
- システム刷新のプロジェクトの成果はいかがでしたでしょうか?
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- 藤田様
- 上場基準を満たすシステムをこの短い期間で稼働することできたという事が全てだと思います。
期間と機能が両立できたことは、もともとのプロジェクトの目的を考えると、ある意味100%達成できたと言ってよいと思っています。
社内的に見ると、システム刷新によって、眼に見える業務の効率化がなされるのはこれからかもしれませんが、非常にバランスのいい仕組みとなったと感じています。 - 高柳様
- システム導入後の現場見ると、新システムではこれまでにない承認フローなどが追加されて手間が増えた部門もあるものの、相対的にかなり業務の効率化ができたと感じています。
- ユーザサイドに立ったコンサルティング、というサービスについて、どのような印象を持たれましたか?
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- 藤田様
- 発注側の思いを受注側へ伝える難しさと重要性を実感できたプロジェクトだったと思います。そういう意味でGPTechさんの調達支援サービスを利用して非常に良かったと思います。
- 畔柳様
- 受注側からすると、どうしてもプロジェクトの当初では発注側の要望が明確にならないために、開発見積を2倍にしよう3倍にしようという発想になるものですが、今回のプロジェクトではGPTechさんが要件レベルを細かく見ていただいたので予算的には安心して進めることができたと思います。
- 藤田様
- RFP作成のフェーズを社内で行う場合、この工程は成果が見えにくく工数が投入しづらいため、どうしても完成度の低いRFPとなりがちですが、外部のGPTechさんを利用することでその点は是正され、要件が明確になりブレも少なくなりますね。
- 畔柳様
- そうですね。それにより、より現実的な見積りが提出できたと思います。
- 藤田様
- また、発注フェーズだけではなく、要件定義や開発が進んでいく中で進捗管理や工程管理の辺りをきちんと見ていただけた点が大きかったと思いますね。発注者側からするとどうしても自分たちの業務があるので、プロジェクトの業務とはいえ、本来業務ではないのでこの辺りに中々、工数をかけられない現状がある。ここにコストを払ってでもGPTechさんにやっていただけたことが、プロジェクトが成功した要因だと思います。
- GPTechへの今後の期待があれば、教えてください
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- 藤田様
- 単一のプロジェクトに関する提案だけではなく、常に第三者的な中立の立場から全社的な問題定義や課題についてご提案を続けていただきたいと思います。
- 畔柳様
- 受注者側からすると、他のコンサルとは違いベンダーに対して上段には構えず、でも仕切りはしっかりとしていただけたので、私たちは現場作業に注力することができ非常にやり易かったですね。また、ぜひ一緒にお仕事をしたいと思います。
オートサーバー、受託ベンダーの皆様とGPTech坂本(右端)、奥村(左端)